在留資格制度の内容
出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)は、一在留一在留資格の原則を定めており、日本に在留する外国人が在留資格を失うと、入管法上、退去強制事由に該当し、日本から退去強制される立場となり、日本において合法的に滞在することはできなくなります。在留資格を有する外国人の在留を正規在留といい、在留資格を有しない外国人の在留を非正規在留といいます。
日本国に在留する外国人にかかる法的地位としては、入管法が27種類の在留資格を定めるほか、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(以下「入管特例法」)が「特別永住者」という法的地位を定めています。これらの在留資格などは、「就労可能資格と就労不能資格」に分類することができます。
入管業務の遂行に当たっては、行政裁量の広範性に留意し、虚偽申請や虚偽の証拠提出を絶対に行わないこと、入管関連法、入国・在留審査要領及び実務上の運用を正確に理解すること、できるだけ行政手続き内での処理を目指すことが特に重要です。
一在留一在留資格の原則とは?
入管法及び入管法施行規則は、外国人が上陸許可又は在留資格の変更若しくは在留期間の更新許可を受けて日本に適法に在留するためには、1個の在留資格と、それに対応する1個の在留期間が決定されることを必要としており、同時に複数の在留資格を有したり、終期の異なる数個の在留期間を有することを許容していないものと解されます。
これを入管法上の一在留一在留資格の原則といいます。
日本に在留する外国人が在留資格を失うと、入管法上、退去強制事由に該当し、日本から退去強制される立場となり、日本において合法的に滞在することはできなくなります。
このように、外国人が日本に適法に在留するためには、一在留一在留資格の原則により、1個の在留資格(とそれに対応する1個の在留期間)を有していることが必要です。在留資格を有する外国人の在留を正規在留といい、在留資格を有しない外国人の在留を非正規在留といいます。外国人の日本における在留は、正規在留と非正規在留に分けられます。そして非正規在留はその態様により、主に、不法入国、不法残留、不法在留に分けられます。
就労可能資格と就労不能資格とは?
就労可能資格とは、当該在留資格を有していることにより、「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」(以下「就労活動」)を行うことが入管法上認められる在留資格などをいい、就労不能資格とは、資格外活動許可を得ない限り、就労活動を行うことが入管法上認められない在留資格をいいます。入管法上違法に就労活動を行った場合には、その者自身に資格外活動罪が成立するのみならず、その者に不法就労活動させた者にも、不法就労助長罪が成立します。また資格外活動を「専ら」行っていたと「明らかに」認められる者及び入管法73条の罪により禁錮以上の刑に処せられた者は、退去強制事由に該当します。したがって、就労可能資格と就労不能資格の分類は重要です。
就労可能資格 | 就労不能資格 |
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入国管理局はウソを許さない!
入国管理局は、虚偽申請、虚偽の証拠提出を最も嫌います!
当然のことですが、これらの行為は絶対にしてはいけません。ほかの要件をすべて満たしていても、申請書などに虚偽の事実を記載したり、虚偽の証拠を提出したりしただけで不許可になることもあるのです。