永住許可の要件
入管法では、永住が許可される要件として
- 素行が善良であること
- 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
この2点となっているのですが、漠然としていますね。
そこで法務省入国管理局が平成18年3月31日に発表したガイドラインによると
- 上記の⒈は「法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること」
- 上記の⒉は「日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること」
とされています、そのうえで法務大臣がその者の永住が国益に合いすると認めたときに限り、許可することができると規定されています。ただしガイドラインによる規定は、日本人、永住許可を受けている者または特別永住者の配偶者または子である場合は適合することを要しないと緩和されています。
審査されるポイント
永住許可を与えらるかどうか、次の点をポイントして審査しています。
- 原則として、10年以上継続して本邦に在留していること。「継続して」とは在留資格が途切れることなく在留することをいい、再入国許可を受けずに出国したり、海外滞在中に再入国許可が失効したりすると、その人の在留資格は消滅し在留が継続していることにはなりません。なお留学生として入国し学業終了後就職している人については、就労資格変更後5年以上の在留が必要です。
- 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。納税義務等公的義務を履行していること
- 現に有している在留資格が、出入国管理及び難民認定法施行規則別表2に規定されている最長の在留期限で在留していること
- 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
「10年以上継続して本邦に在留」の例外
審査のポイントである「10年以上継続して本邦に在留していること」の例外は次の通りです
- 日本人、永住者または特別永住者の配偶者の場合、婚姻後3年以上本邦に在留(海外で婚姻歴がある場合は婚姻後3年経過し、本邦で1年以上の在留)
- 日本人、永住者または特別永住者の実子もしくは特別養子の場合、引き続き1年以上日本に在留
- 「定住者」は5年以上継続して本邦に在留
- 難民認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留
- 日本への貢献があると認められる者は、5年以上本邦に在留
手続きのポイント
永住許可を得るためには、上記の実質的許可要件を満たしていることが重要となり、在留歴が不足しているなどの場合は申請することは可能であっても、実際に許可になる可能性は低いです、ですから充分に実質的許可要件を満たしてから申請することが大事です。
また、永住許可申請をしても、許可が出るまではもとの在留資格が消滅するわけではありませんので、永住許可申請中であっても、もとの在留資格の在留期間が来れば在留更新の手続きをとる必要があります。また、日本国または地方公共団体から叙勲、表彰状等を受けている場合は、有利な材料となるのでこれらを提出しましょう。
入国管理局で永住許可申請の調査をするときは、自宅や職場への電話調査や訪問などの実態調査もあるので、間違いのない申請をしなければいけません。
永住許可申請に必要な書類
- 永住許可申請書 1通
- 旅券、中長期在留者は在留カード
- 資産または過去3年間の所得を明らかにする資料
- 在職証明書または事業を経営している者にあっては営業許可証、登記簿謄本、損益計算書等
- 納税証明書、善行等の表彰状等
- 戸籍謄本、家族一覧表等
- 健康診断書
- 身元保証書
以上の書類が必要となりますが、各人ごとに提出書類が異なる場合があります。